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zoom RSS 漫画で読む『赤と黒』

<<   作成日時 : 2009/01/21 03:02   >>

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世界の文学作品の名作を漫画で読破というシリーズが刊行されていますが、今日、試しにスタンダールの『赤と黒』を買って読んでみました。
これで面白ければ色々と揃えてみようかとも思いつつ、テストケースとして。

赤と黒
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まんがで読破 著者:スタンダール/バラエティ・アートワークス出版社:イースト・プレスサイズ:文庫ペー


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結論から言うと、所詮漫画は漫画です。
漫画そのものを否定するつもりはありません。登場人物のイメージが狂うとか、イケメンじゃないとか、そんな低次元のことを言いたいのでもありません。
おそらく、これがなければ一生『赤と黒』とは関わり合いを持たなかったであろう読者層に対して、この作品の存在をアピールできるという、一定程度の存在価値も分かります。

しかし、どれほどの利点を論えども、文字だけの小説と違って、漫画が1ページあたりで伝えられる情報量は圧倒的に少ないのです。

文字よりも絵の方がたくさんのことを伝えられるのではと思うかもしれません。
たとえば、美しい風景を伝えるような場合にはその通りでしょう。どんな言葉を連ねるよりも、1枚の美しい絵には敵いません。まさに百聞は一見にしかずです。

しかし、漫画は複雑な思想や歴史背景を効率的に伝えられるメディアではありません。
したがって、限られた紙面では表面的なストーリーを追うだけになるか、文字でくどくどと説明を入れるしかありません。
この『赤と黒』の漫画では、平民が貴婦人と令嬢を順に我がものにして、最後にはなぜか処刑、たったこれだけのストーリーに還元されてしまっています。

この枠組みに収めるために場合によっては信じられないような単純化も必要になります。
たとえば、ジュリアンが神学校で複雑な宗派の対立軸に振り回されながらも我が道を切り開いていこうとするところがあります。
しかし、漫画ではそんなイエズス会やらジャンセニストやらの説明などしてられないので、単純に校長派と副校長派の対立にされてしまっています。
きっと、この漫画向けに『赤と黒』を翻案した人にも、この対立軸が理解できていなかったのでしょうね。

まあもう一冊くらいは試してみますが、文学作品の漫画化には過剰な期待を抱かない方が良さそうです。
今回は「時間が許すならちゃんと小説で読んだ方がいい」という、あまりにも在り来たりな結論になってしまいました。

赤と黒(上)
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十九世紀年代記光文社古典新訳文庫 著者:スタンダール/野崎歓出版社:光文社サイズ:文庫ページ数:46


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